2012年3月25日日曜日

海貨業者について

通関業を営んでいる会社はフォワーダーとしても活躍しており、そのほとんどが航空貨物混載業者、利用運送事業者(NVOCC = Non Vessel Operating Common Carrier)を兼務しています。
他にも保税区内に自社倉庫を構え、主に自社及び関係会社の外国貨物を取り扱う会社もありますが、ここでは私も所属する海貨業者について説明したいと思います。


まず海貨業者の意味について説明します。
海貨業者とは1951年に制定された港湾運送事業法に第2条の1に定義された一般港湾運送事業の"海運貨物取扱業"(荷主の委託を受けて行う個品限定運送)を略した物です。
簡単に言えば自らの責任で荷主⇔船社の貨物の受け渡しをする業者(元請け)のことを指します。
元々この法律はコンテナ化以前の在来船を対象にしていた為、艀(はしけ)などを利用しない、コンテナ船が主となってからは、1969年に港湾運送事業法が改正され、船社の貨物も扱えるようになり現在の海貨業(新海貨)の形態が整いました。
この上記貨物を取り扱うには海貨業のみでは一貫して行うことは不可能なので、多くの海貨業者が通関業、倉庫業、貨物利用運送事業の許可を受け、輸出入の仕事に携わっています。
またこうした業務を行う海貨業者を"乙仲"と慣例的に呼ばれております。

海貨業者がやっている仕事には下記のような物があります。

1.通関業
2.国際輸送業務、国際複合輸送業務
3.代理店業務
4.国内の運送業務
5.書類作成代行業務

などなどです。以下説明していきたいと思います。

1.通関業
他の所で説明しているので飛ばします。

2.国際輸送業務、国際複合輸送業務
荷主に代わり船社にBOOKINGを行い、B/L発行など自らの責任で外国との貨物輸送を取り行うNVOCC(利用運送事業者=船を持たない海上輸送者)業務の事。細かい部分はまた後日説明したいと思います。

3.代理店業務
外国の船会社、NVOCCと提携し貨物到着後のARRIVAL NOTICE(貨物到着案内)を発行し、運賃や到着後の取扱料を収受する業務です。

4.国内の運送業務
輸入許可を受けた貨物を保税区からエンドユーザーに配送したり、輸出許可後のコンテナ貨物を保税区からコンテナヤードに搬入したり、許可後の特定輸出申告貨物をコンテナヤードに搬入するまでの運送業務を荷主に代わり手配します。

5.書類作成代行業務
L/Cの銀行買取書類(ネゴ書類)を作成したり、荷主に代わりINVOICEやドックレシート(DOCK RECEIPT)の作成、商工会議所へ原産地証明書の発行などを行います。

ここにあげたのは多くの通関業者がやっている一部の仕事です。他にも検疫に必要な検査の手配を行ったり、展示会用のATAカルネの作成などその海貨業者が得意とする仕事を荷主に代わり行っています。
先に書いたようにほとんどの業者が通関業だけでは経営していくことは難しい為、今では通関業以外の業務で利益を上げられるよう水面下で戦いを繰り広げています。

しかし、そういう時代の流れでもなお通関業務は、各海貨業者の重要な業務となっています。
特に食品、化学、繊維など経験と深い知識が求められる分野の通関士が社内にいるいないでは、扱える貨物に制限が出ることもあり、優秀な人材は引く手数多なのが現状でもあります。

そういう私も諸先輩方のように知識と経験を日々磨き、積み重ねていきたいものです。

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